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マギーコメント #01 [2006.12.06]

何よりもまず、U−1グランプリの片割れ、相方の話からしよう。
バラエティーの放送作家というのが今、何人いるかは知らない。ド新人みたいなのから、もはや名前を貸してるだけみたいな大先生まで入れれば、けっこうな数だろう。
じゃあそのけっこういる放送作家さんの中で「売れっ子作家」と呼ばれる人となると、その数はグッと減る。
今、その数少ない売れっ子作家のひとりとして確実に名前が挙がるのが、相方・福田雄一さんである。

10年前、ジョビジョバがまだ下北沢で活動してる頃、ライブのアンケートの一枚にこんなメッセージがあった。
「自分はTVの放送作家をしていますが、いつかご一緒したいです」
当時は業界の方のアンケート自体が珍しかったので嬉しくもあり、鮮明に覚えていた。

それから数年後、ジョビジョバの番組の作家として現れたやたら大柄の、やたら甲高い声で笑う放送作家が、 やたら昔の俺らのライブに詳しい彼こそが、そのアンケートを書いた張本人であると知るのに時間はかからなかった。

それが福田雄一である。

以来、福田さんとは3本の番組を一緒にやったが、毎回、必要以上に褒めてくれた。
毎回、現場では必要以上に甲高い声で笑ってくれた。
(彼を語るのにこの“甲高い笑い声”はマストアイテムである)
そしてとにかくオレに「好き好き光線」を出しまくってくれていた。

福田さんはいろんなタイプの放送作家がいる中で、綿密に計算されたコント台本を書く作家だ。
アドリブやハプニング的な内輪ウケに走らず、台本の世界を忠実に演じることで、面白さが際立つコント。
そんなジョビのニュアンスに近い資質を持った福田さんに、いつしかオレも「好き好き光線」を出すようになっていた。
(これじゃホモのカミングアウトみたいだ)

“笑い”が好きで、笑いに対していろんなアプローチをしている人はたくさんいる。
みんな笑いに真剣でストイック。そんな人たちとは分野や世代が違えど通じ合える。
ただ、そのやり方、方向性、ルール、ニオイ・・・モロモロの感覚が近い人を探すとなると、これがなかなかに難しい。
多分、たくさんのラーメン好きの中から、一番好きな店が同じ人を探すのよりも難しい。わかんないけど。

その点、同じチームだと年月の中でそのへんのモロモロが近づき、共通言語ができる。
当然、ジョビジョバはその上に成り立っていた。
ひとつのオモシロを創り上げるのには完璧なチームだった。

そんなチームを体験してきたオレだから、なおさら、一緒に笑いを創れる人を探すのは難しい。
ソロ活動以来、そう思い始めていた。そしたら、いた。
「一緒にやりませんか?」彼はオレに久々に会うなり、そう言った。

それが福田雄一である。

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